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Doppel 3 (ナル麻衣)

2007.08.13 Monday 19:39
長い間を越え、漸く第3話です
別名、恐怖の兄弟喧嘩篇
自分の効果音のセンス、色んな知識の無さを痛感しました

ここで麻衣ちゃんとナルの間に起こった出来事が浮かんできます

そしてあの方も登場!
アニメ、マンガオンリーの方はネタバレに注意してください^^




03

「――麻衣!起きろ!!麻衣!!」
ナルは何度も麻衣の名を呼び、身体を揺するが、麻衣は何の反応も見せずにただ意識を失っていた。
ナルは軽く舌打ちをすると、リンを睨むような視線で見た。
「リン、事務所は閉める。安原さんも、今日は帰って頂いて結構です」
「ナル!?あなたは谷山さんをどうするつもりですか!?」
「麻衣は僕の家へ運ぶ。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の可能性もある」
夢を見たか、と訊いた時麻衣は明らかに動揺していた。
「しかしっ…」
「出ていけ」
静かにナルが言うと、窓ガラスがパシッと音をたてた。
「これ以上僕を苛立たせるな。これが最後だ、出ていけ」




「…所長、どうされるおつもりですかね」
追い出された2人は途方もなく歩いていた。
真っ昼間の渋谷はやはり人が多い。

「これと心霊的なことが関係してるかは不明です。ナルが自分に責任があるかもしれない、ということを自覚していれば良いのですが……」
PKを使う程、ナルは怒っていた。
少しでもその矛先が、ナル自身であれば良いのだが。

「彼は不器用ですから……」
「谷山さん、大丈夫ですかねぇ」





家につくと、麻衣をベッドに寝かせた。
あれから麻衣は目覚めていない。ただ、時折苦しそうな顔をするだけ。

(……麻衣)
薄暗い部屋の中でも、麻衣の白い肌はよく見える。そしてそこに浮かぶ、青い痣も。

「――ッ!」
ナルはとっさに頭を押さえる。
ハンマーか何かで頭を叩かれたような痛みが走り、それに思わずナルも膝を折る。
(なんだ…これは…)
金属音のような、悲鳴のような耳鳴りが酷くなってゆく。
ナルはそれに耐えれずに、とうとう気を失って床に横たえた。







『―――』
ナルはゆっくり、目を開いた。
視界に入ってきたのは、何もない、ただの暗闇。
身体を起こして立ち上がり、周りを見渡す。
『――ナル』
不意に自分の名を呼ばれ、ナルは振り返った。
『………ジーン』
そこには鏡を見たような自分と瓜二つの姿があった。

数年前、亡くなった片割れ――

『まだ成仏してなかったのか』
腕を組みながら、呆れたように言う。
『うん、僕も早く逝きたいんだけどね。君達を見てるとまだ出来そうもないみたい』
ジーンはにっこり笑う。
『お前が僕をここへ呼んだのか?』
『そうだよ』
あっさり答えたジーンに、ナルは溜め息を漏らした。
突如、ジーンの笑顔が崩れた。
『……ねぇ、ナル。何で麻衣がこんなことになったと思う?』
真剣な瞳で問うジーンに、先程の綺麗な笑みはない。その瞳の奥に、僅かな憤怒さえ見える。
『それを教えるために、僕をここへ呼んだのだろう?麻衣はどうなってるんだ』
『君は本当に自分のことしか考えてないね』
その言葉にナルの眉間の皺が深くなる。
『誰のせいでこうなったと思うの?』
『……どういう意味だ』
『ナルのせいに決まってるだろう!?この馬鹿!!』
それまでと一変し、ジーンは怒りに任せて口を開いた。
兄のこういう姿は、ナルもなかなか見なかった姿だ。
『…麻衣の心は段々弱りつつある。見てみなよ』
ジーンが顔を横に向けると、ナルもつられて視線を移した。



そこには、麻衣が首を絞められている姿が映し出されていた。
苦しそうな表情をしているが、身体は動いていない。
『……!』
『これが、麻衣が毎晩見ていた夢だ。ねぇ、ナル。君は、麻衣が誰に首を絞められていると思う?』
ジーンと再び目が合う。
『……誰だ』
『少しは考えろ、馬鹿』
いつもは麻衣を馬鹿にするくせに、こういうことは頭使えないんだね

次々飛んでくるジーンの暴言に苛だった。

『よく見てごらん』
ジーンに促され、再び麻衣の方を見る。

目を細めながら、麻衣を殺そうとしている相手を見る。

徐々に浮かび上がるその姿。
身長は小さめで、暗闇に仄かに映る白い肌。
髪は色素の薄い、茶色。


『――まさか』
『そう、麻衣自身だよ』

麻衣が、麻衣自身の首を絞めている―――
諺でしか聞いたことのない表現が、今まさに目の前に繰り広げられていた。

苦しそうな表情を浮かべる麻衣に対し、殺そうとしている麻衣は、まるで麻衣ではないかのように無表情だ。

『何故……!?』
その言葉にジーンの肩がピクリと動いた。
『何故、だと?』


ガツッ!!

次の瞬間、暗闇の中を短い音が走った。



ジーンに殴られたのだ、と理解するのに、ナルの頭でも数秒はかかった


『…ッ!何をす――』
『お前こそ何してるんだよ!!!』
ナルの怒声をも上回る声でジーンが叫んだ。
『毎晩毎晩麻衣が君の言葉で傷付いていたのに、お前は何やってるんだ!!』
こんなジーンは、生前でも見たことがない
そう素直にナルは思った。
『僕はただ……』
『言い訳するの?麻衣にあんなこと言っておいて?あれじゃあ麻衣だって傷つくに決まってる』
『………』
ナルが黙り込むと、今度はジーンが呆れたように溜め息をした。


『…麻衣の心は日に日に弱っていったんだ。君との喧嘩をきっかけにね―――』




あの日、喧嘩をした日。
麻衣はいつも通り、所長室へやってきて、お茶を出した。

「……ナル。なんか、顔色悪くない?また徹夜したの?」
麻衣はナルの顔をジッと見つめながら言った。
「別に」
手にある本に没頭しているナルは短く応えた。

「少し休んだ方が良いよ…あたし、なんか作ってあげようか?」
「必要ない」
「でもさ、少しくらい――」
「必要ない、と言っている」
ナルの声がやや強まり、麻衣は一瞬身を引いた。
「……普段は役に立たないくせに、そういうことはしつこく言ってくるんだな。他に、何も出来ないくせに。必要のないことばかりやる無駄な部下はいらない。さっさと出ていけ」

麻衣のことを何一つ考えず口に出た言葉。
その時の麻衣の顔は見なかったが、それを言った後、麻衣は黙って出ていった。






『……お前は、どうにも出来なかったのか?』
『僕のせいにするのかい?………僕に手出しは出来なかったよ。だって、それを拒んだのは麻衣だもん』
『………話がよく見えない。何故、麻衣は苦しんでいるのに、助けを求めない?』
『まだ分からないのかい?』
ジーンは眉間の皺を隠すように額に手を当てた。
『あれはね、麻衣の心そのものなんだよ』
ジーンが静かに言い放つ。

『心……?』
(麻衣の――)


『麻衣はね、自分を責めてるんだ。外見上の麻衣は死にたくないと思ってる。でも、本当は…心のどこかで、自分なんか消えてしまえば良いのに、なんて思ったんだ。だからそれを叶えようと心の中の麻衣が、夢に現れたんだ』

それだけにを告げると、二人の視界から〈麻衣の夢〉は消えた。


『いつも君に言われた言葉に苦しめられてたんだよ、麻衣は』
『………』
『それでも、ナルを責めようとはしなかったけどね』
どっちに呆れていいかわかんないよ

ジーンが苦笑いをする。

『ジーン』
それまで黙っていたナルが唐突に口を開いた。

『……なんだい?ナル』
訊かなくとも答えは分かっている。
『僕を、麻衣の夢に繋ぐことが出来るか?』
『……いいよ。でも、拒まれたら?』
そうジーンが尋ねれば、ナルは不適の笑みを溢した。
まるで愚問、とでも言うかのように。
『その時は、無理矢理侵入するまでさ』


待っていろ、麻衣



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2016.04.11 Monday 19:39
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コメント

待ってました〜!!!!

うわーんうわーん
麻衣ちゃーん!!!!!

なんといえばいいんでしょうか
めちゃ泣きそうです
| おとしん | 2007/08/14 11:06 PM |
ずいぶん長いこと放置していてホントすいませんでした^^;;

えぇw泣きそうですかw?

そんなこと言われたの初めてなもんで素直に嬉しいですww


次回はナルがきっとどうにかしてくれます^^(おいおい

コメントありがとうございました!
| 惇 | 2007/08/15 12:57 PM |

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