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HELLO!!版権&オリジナルの小説用のblog ※小説は全てフィクションだから実物とは何も関係なっしんぐ

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2016.04.11 Monday

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Doppel 4

2007.10.01 Monday 20:35
大変長らくお待たせしました
随分更新してなくて本当すいません;
あと少しで終ります
もう少しだけ付き合ってやって下さい







04

『――今から、君を麻衣の夢へラインを繋ぐ』

ナルはゆっくり頷いた。
『でも、この行為は非常に危険だ。僕は麻衣の夢には行けないからね。もしかしたら、君も麻衣も、もう戻ることが出来ないかもしれない』
ジーンは念を押して言った。だがやはりナルの決意は固く、動揺の欠片も見せない。
それを見ると、やはり弟は変わった、とジーンは心の中で微笑んだ。

やがてジーンはナルに片手を差しのべた。
『――じゃあ、行くよ。ナル』
ナルは無表情のまま、その手をとった






目を開けたら、そこは真っ白の世界だった

いつもの暗闇とは違う
どこか、ひんやりとしていて
どこか、寂しい



ひた、ひた

遠くから足音が聞こえる

ゆっくり、ゆっくり近づいてくるのは―――あたし
もう一人のあたし
いつもあたしの首を絞める〈彼女〉


〈彼女〉は麻衣の前に立つと、下を見つめたまま呟いた。
『ねぇ、どうしてかな。なんでナルはあたしを邪魔者扱いするんだろう』
『……わかんないよ、ナルだもん』

今までは声が出せずにいた。
しかし、今はこうして初めて、〈彼女〉と会話をする。
やはり、それは自分の声だ。
『嘘をつかないで。本当は分かるんでしょう?あたしに隠したって無駄だよ』
ゆっくりと〈彼女〉は顔を上げた。
やっぱり、それはあたしの顔だった。
茶色の瞳の奥に映る、どこか寂しそうな色。

『…………うん、わかるよ。ナルはあたしが嫌いになったんだよね』
あたしは観念した。
〈彼女〉のこんな真っ直ぐな瞳を見て、どう嘘をつけばいいのか分からない。
『ナルが必要としている人材は[優秀な部下]だけ。あたしは普段からナルに迷惑をかけっぱなしだし、何ひとつ、自慢出来ることなんてないよ』

そこまで言うと、涙が溢れそうになった。

『ナルがあたしを必要としてくれなかったら、誰があたしを必要としてくれると思う?』
『………誰も…いないよね……』
麻衣は苦笑いをした。
まるで幼い少女の質問に答えるかのようだ。


家族がいない
あたしには帰る場所はない



もし、必要としてくれる人がいれば―――


『――ジーンなら、まだあたしを必要としてくれるかな?』

それとも、ナルの代わりにしてるって思われちゃうかな



『………』
〈彼女〉は無言で麻衣の首を両手で掴む。
麻衣も抵抗はしない。むしろ苦しそうな表情も浮かべず、ただ、目の前の少女を眉を下げながら微笑んで見つめる。

『……ごめんね、沢山苦しませて』


苦しんでたのはあたしじゃなく、〈彼女〉

いつも我慢をしていた、心の中のあたし




麻衣が言うと、首に圧力がかかる。
不思議と苦しさは感じない。


これは罰
自分の心に嘘をつき、〈彼女〉を苦しませていた
無理するあたしをいつも支えてくれてたのに

ごめんね、気付けなくて




そう思って目を瞑りかけた、その時



(――麻衣!)



彼の声が頭の中で聞こえた気がした。

反射的に、閉じかけた目を開く。

目を開くと〈彼女〉は麻衣の方ではなく、真横を向いていた。


『……ナ………ル…』
〈彼女〉が呟く。その瞳は大きく見開いていた。


瞬間、首にかかっていた力が一気に抜ける。
身体に上手く力が入っていなかったためか、麻衣の身体はそのまま地面に崩れた。
それと同時に酷く咳き込んだ。


『麻衣!!』
『ナ、ル…?なんで…?』
見ると、そこには真っ白な世界にくっきり浮かび上がる黒衣を着たナルの姿があった。
『………ジーンから聞いた。お前が、苦しんでいると。だから来たんだ』


その言葉は麻衣の耳を疑わせた。

『僕が悪かった。頼む、側に居てくれ。僕には麻衣が必要なんだ』

瞳を反らさずに、はっきりとつむがれる言葉。
それに呆然としている麻衣に、ゆっくりナルは近づいていった。

そして、〈彼女〉の前に立つ。


『……僕が悪かった…お願いだ。どこにも連れて行くな』

無表情だった〈彼女〉は、やがて嬉しそうに目を細めた。

それはとても自分とは思えない程、綺麗な笑顔だった

『麻衣の本音、教えてくれ。何も我慢しなくて良いから』

〈彼女〉はナルから注がれている眼差しに目を細め、口を開いた。

『……辛かったの。すごく、痛かった』
〈彼女〉は胸に両手を当て、目を閉じる。
『道で転んだ時、友達に裏切られた時、母さんが死んだ時。そして――ジーンの事を全て知った時』
ゆっくり、瞼を上げる。
その茶色の瞳は一片も怒りの色はなかった。

『……それ以上に、苦しかった。ナルに必要とされなくなったことが、愛しい人に想いが伝わらないことが』

『――――』
それを聞いて言葉を失ったのは麻衣の方だった。


何故

こんなにも

気付けないのだろう


自分の    彼女の

    心が





『―――ありがとう。ナル、ジーン。あたしを必要としてくれて』

涙を流し、〈彼女〉は心の底から嬉しそうに微笑んだ。



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2016.04.11 Monday 20:35
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コメント

うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

いけない 興奮

のわーーーーーーーーーーーーーー

泣く泣く
泣けます

あうーー
ナル〜!!!!!!
麻衣ちゃーーーーーーーーーーーん

感動デス!!!!!
| おとしん | 2007/10/03 10:08 AM |
どうもです!
暫くぶりの更新で本当に申し訳ないです;

もう直ぐに最終回を載せるので!!
コメントありがとうございました!!
| 惇 | 2007/10/13 10:48 AM |

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