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2016.04.11 Monday

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Doppel 5

2007.10.13 Saturday 10:52
5話目です(・ω・´)



05

「…………」
目を開けば、見慣れた天井があった。
薄暗いけど、どこか落ち着けるこの空間は――ナルの部屋だ。

「起きたか」
声に視線だけ動かせばそこにはナルがいた。


「………ナル?」
起き上がり、ベッドから降りようとしたところをナルは手で制した。
「まだあまり動かない方が良い。これを飲んで休め」
そう言われ受け取ったのはナルらしいシンプルなデザインのカップに入った紅茶。


吉見邸の事件から、ナルの紅茶は自分を落ち着かせている気がする。
「……ありがとう」
麻衣は笑顔でそれを受け取ると、ナルはベッドに腰かけた。

「ナルの紅茶って、あったかいよね」
半分くらいまで飲んだ時、麻衣が不意に口にした。
「温めれば、なんだって温かいだろう」
「そうじゃなくってさ…こう、なんか、安心する」
残りを飲もうと麻衣は再びカップに口をつけた。

それをナルは苦笑して見ていた。

麻衣の首に、あの痣はもうない



「……僕は麻衣の紅茶が好きだ」





「―――へ?」
ナルの瞳がいつもより穏やかなのは気のせいだろうか。

「……正直、リンや安原さんのお茶はあまり好きではない。リンのは味が薄いし、安原さんのは冷めている」
「――なっ!?あ、あんた人が苦労して入れてるお茶をねぇ……!」
その頃にはもう、いつものプライドに守られた勝気な瞳に戻っていた。

なんだかそれが悔しくって、嬉しくって
思わず、微笑んでしまう。



「…今度、ジーンにお礼言わなくちゃね」
「あぁ…あいつに馬鹿、って言われて殴られた。あそこまで怒りを表したジーンを見たのは、おかしな話、初めてだ」
まさか死んでからその姿を見るなんてな、とナルは鼻で軽く笑った。

そんな姿を少し笑いながら見つつ、心の中は複雑になっていた。



ナルにしか知らないジーン
ジーンにしか知らないナル


それはちょっとだけあたしを嫉妬させた。



「……じゃあ、ナルも見せて?」
暗闇でも驚き目を見開いたナルの顔がよく見えた。



「あたしばっかり、見せるのはヤだよ?」

ねぇ、もっと見せて
ジーンもあたしも
誰も見たことのないナルを
ナルの本心を
もう一人のナルを――



やや沈黙が流れたが、ナルはくく、と笑いを溢した。

「麻衣なら、いつも見ているだろう?」



何故なら、麻衣にしかこんな色鮮やかな表情は見せてないのだから



end
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2016.04.11 Monday 10:52
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コメント

うわぁぁぁぁぁ

わーんわーん
感動デス!

よかったよぉ麻衣ちゃん・・・

もっと大事にしてやりなさい!ナルぅぅぅ!!!


いいお話、ありがとうございました!!
| おとしん | 2007/10/14 8:17 PM |
いえいえ!こちらこそ長い話に付き合っていただき、本当感謝です!!

ナルは私の中でとことん悪者ですから(笑)

…なーんて、まぁ実際は麻衣ちゃんが可愛いだけなのかもですが;

また次にナル麻衣を書く時はもう少しイチャつかせてみようかな、なんて思ったりもしてますのでヾ(^ω^*)


コメントありがとうございました!
| 惇 | 2007/10/15 2:49 AM |

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